「時間的価値」と「本質的価値」

オプション取引におけるプレミアムは「時間的価値」と「本質的価値」という二つの異なる価値によって構成されています。なにやら難しい言葉がでてきていますが、まずはこの二つがどのようなものなのかをりかいしていきましょう。特に「時間的価値」についての理解がオプション取引には重要な要素となります。

オプション取引の事例とそれぞれのプレミアム

まずは、オプション取引における「時間的価値」と「本質的価値」を理解するために下記のようなコールオプションがあったと仮定します。なお、プットオプションの場合は全部反対だと考えてください。

ちなみに、現在の日経平均株価は9000円だとします。

C9250円(権利行使価格9250円のコールオプション)
プレミアム:20円
決済期限:2週間後
状態:アウトオブザマネー

C9000円
プレミアム:50円
決済期限:2週間後
状態:アットザマネー

C8750円
プレミアム:260円
決済期限:2週間後
状態:インザマネー

現在の日経平均株価が9000円だとして、それぞれのオプションを見てみると8750円のコールオプションだけが権利行使することで価値を持っているオプションだといいうことがわかります。他のC9000円、C9250円のオプションは権利行使する価値はありませんね。

このとき、C8750円のオプションは現在の株価で権利行使することにより250円の利益を得ることができます。ということはこのC8750円のオプションは250円の「本質的価値」を持つとされます。

一方でC9000円、C9250円のオプションは権利行使をしても1円も利益を得ることができません。そのため、アットザマネー、アウトオブザマネーのオプションは本質的価値を持たないとされます。

オプション取引における「時間的価値」は、現在のオプションプレミアムから「本質的価値」を差し引いたものと考えることができます。

具体的に先ほどの例を表にすると下記のように本質的価値、時間的価値の分類することができます。

  現在のプレミアム 本質的価値 時間的価値
C9250円 20円 0円 20円
C9000円 50円 0円 50円
C8750円 260円 250円 10円

 

時間的価値はどうやって決まる?

たとえば、先ほどの例ではC9250円のオプションは現在の日経平均が9000円の状態ではアウトオブザマネーです。しかしながら、今後の相場変動で日経平均株価が9250円以上になれば本質的価値を持つようになります。

となってくると、C9250円が持っている20円の時間的価値というのは「今後の相場変動で株価が9250円以上なる可能性」みたいなものであるわけです。

一つの要素は対象となる原資産の価格変動です。C9250円のオプションの時間的価値が現在20円だとしますが、その後日経平均が上昇して9150円まで上昇したとします。この場合、「9250円以上になる可能性」といのは日経平均が9000円だった時よりも大きくアップしているはずです。その分可能性は上昇するのでプレミアムも同じように上昇します。
逆に、日経平均が8900円にまで下落してしまった場合には可能性がより小さくなったため時間的価値も減少することになります。

また、この可能性(時間的価値)を決めるもう一つの要素が「決済日までの残り期間」です。

決済日までの期限が長いほど、株価が変動して9250円以上になる可能性は高まっていきます。
逆に、決済日までの期限が短い場合、可能性がどんどん小さくなってきます。これによって時間的価値は失われていきます。

 

タイムディケイ

唐突に、タイムディケイという用語が出てきましたが、このタイムディケイというのはオプションにおける時間的価値が決済期限が近付くことによって減少することを意味します。

グラフにすると上記のようになります。時間というものは一方方向(将来)にすすんでいきません。進めば進むほど決済日までの期間が短くなっていきます。
こうなることで、時間的価値は徐々にしなわれていきます。ちなみに、時間的価値の低減スピードは当初は緩やかですが、決済日が近付くにつれて急激に減少し最終的にはゼロになります。

つまり、決済日(満期日)時点においてオプションの時間的価値はゼロになり、本質的価値のみが残ることになります。

 

時間的価値の重要性と投資上の考え方

オプション取引では特にこの「時間的価値」が重要な概念となります。

たとえば、今後相場が上昇することを期待してアウトオブザマネーの状態のコールオプションを買ったとします。このオプションが持つ価値は時間的価値のみで時間が経過するほどにどんどん下落していきます。
株価が予想通り上昇しない場合にはダラダラ保有するよりも時間的価値が減少する前に反対売買して決済するという方法が挙げられます。

逆に、オプションの売りを考えている方にはこの時間的価値の減少(タイムディケイ)を上手に活用していく必要があります。オプションの売り手は売った段階でプレミアムを受け取ります。
アウトオブザマネーの状態のコールオプションを売った場合、株価が変動しなかった場合でも決済日までの期間が短くなるにつれて時間的価値(プレミアム)は減少していきます。
最初に受け取ったプレミアムよりも、時間がたつほど買い戻すためのプレミアムが安くなるわけですからオプションの売り手にとってはタイムディケイは味方になるわけです。

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