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ヘッジ目的(リスクヘッジ目的)の先物取引

取引のボリュームとしては小さいですが、本来の先物取引の活用は売買による「利益」を目的としたものではなく、将来の不確実性(リスク)に対するリスクヘッジ(リスク回避)を目的としたものです。ここでは、それが具体的にどのような形で行われているのかを解説します。

あるパン屋さんの話。小麦価格とパンの値段と先物取引

ある街にパン屋さんがありました。このパン屋さんはパンの材料の小麦粉を仕入れてそれをパンに加工して販売しています。

小麦粉の価格:100万円、パンとして販売する価格:150万円だとします。このときパン屋さんの利益は50万円(販売価格150万円-小麦粉価格(原価)100万円=50万円)となります。

しかし、小麦の値段というのは常に変動しています。小麦粉の価格はだいたい80万円~120万円の間で推移しているとします。

先物取引はこのような価格が変動する商品の値段を固定するという取引です。たとえば小麦粉の半年後の先物価格が100万円だったとします。このとき、パン屋さんは小麦粉を「先物取引で買う」という選択をしたとします。こうすることで、半年後も「小麦粉を100万円で買うことができます

(1)半年後小麦粉の価格が120万円に値上がりした場合
小麦粉の価格が半年後値上がりしていた場合でもパン屋さんは100万円で買うという先物取引をしていますので、100万円で購入することができます。利益は50万円です。
「もし先物取引をしていなかったら利益は50万円→30万円に減少していました」

(2半年後小麦粉の価格が80万円に値下がりしていた場合
小麦粉の価格が半年後値下がりしていても、パン屋さんは小麦粉を100万円で買うという取引をしていますので、市場の価格よりも高い値段(100万円)で小麦粉を買う必要があります。利益は50万円です。
「もし先物取引をしていなかったら利益は50万円→70万円に増加していました」

パン屋さんは先物取引をすることで、利益を確実に「50万円」に固定することができました。一方先物取引をしなかった場合、利益は「30万円~70万円」に変動することになります。このように、先物取引は「将来の商品」を「現在取り決めた価格」で取引できるので、将来の「価格変動リスク」を低減することができるのです。

ここで挙げた例は小さい話かもしれませんが、以下のような場合に先物取引はリスクヘッジを目的として取引されています。

・航空会社が燃料代高騰リスクに備えるため、原油先物を買う
航空会社において燃料代は大きなコストです。その価格上昇によって収益は大きく圧迫されます。そのリスク回避を目的として、原油先物などを買っておけば、将来の価格上昇リスクに備えることができます。

・農家が豊作時の価格下落のリスクに備えるため、先物を売る
農作物などは収穫量などによって大きく価格変動します。豊作貧乏という言葉があるように、豊作により作物の供給量が増えると価格が下がりかえって損をすることもあります。たとえばそういうリスクに備えて、一定の量の作物を先物取引で売っておけば、将来豊作となって価格が下がっても、その前に決めた高い値段で作物を売ることができます。

・個別株の市場リスクに備えて個別株買いの日経平均先物売り
実体経済におけるリスク回避だけでなく、先物取引は金融取引にも活用できます。株式投資などで、個別株に投資をしたけど、市場全体の値下がりリスクに備えたいという場合など。個別株を買って日経先物を売っておけば、日経平均の下落による個別株の値下がりリスクを、先物売りがヘッジするという市場リスクの回避に活用することもできます。

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